お客様からよく尋ねられる質問。
「生年月日が同じ人は同じ宿命をたどるのか?」
この答えを追求してみました。
結論から言うと、たとえ同じ生年月日、時間にお生まれになったとしても、ひとりひとりはまったく違う個性、環境、才能をもって生まれてきます。
命盤・命式はまったく同じになりますが、それぞれの星の象意がどう発現するかは違います。
それは、ひとつの星に、複数の象意が内包されているからです。
私が尊敬する先生から口を酸っぱくして言われた言葉に、
生年月日=その人自身、ではない
ということがあります。
勘違いしてはいけない、と。
同じ生年月日、出生時間のかたであれば、命盤や命式は同じです。
ですが、星や五行がどのように作用するかは、その人によって違うということです。
だから命盤・命式で予言をすることはできないし、その人を決めつける道具にしてはいけない、ということだと私は受け止めています。
生年月日が同じ人は同じ宿命なのか?
再度、答えは『否』です。
けれど、命盤・命式と、その人自身を重ね合わせて、その人の人生を推し量っていくことはできます。
同じ絵具、同じキャンバスを使っても、人によって描く景色は違うでしょう。
それと同じこと。
そして、私たちは日々、選択をしています。
宿命は変えられないが、運命は変えられる
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
生年月日・出生時間から導かれるのは宿命=先天運と位置づけられるもので、その人の本質や人生傾向、持って生まれた才能、人生の特定の時期に起こる出来事などが推測できるものです。
紫微斗数を例にとれば、どのかたも、吉星、凶星を同じ数だけ持って生まれてきます。その点は平等です。
ただ、その配置が条件によって変わるので、比較的平穏な人、波乱の人、強運の人、弱運の人など、さまざまな人が出てくるわけです。
命理学は不公平だ、残酷だと感じる人が一定数いるのもうなずけますし、実際、私もそのように感じることが多々あります(俯瞰してみれば、そこにも大きな意味があるとも思いますが)。
けれども、なぜ占うのか?
自分の命運を知れば、吉を増幅し、凶を抑える可能性が広がるからです。
先天運を知ることの意味はここにあります。
私たちは、生まれてくる時に、神様に天命を誓って生まれてきます。
けれど、生まれ落ちた瞬間に、その約束を忘れてしまいます。
人生は、神様との約束を思い出せるか、天命を生きられるかどうかのゲームといえるかもしれません。
そういえば昔、RPGをプレイした時に、ちょっと人生みたいだなって思ったんですよね。
選択によって、未来が分岐していくところが。
ゲームと違うのは、人生はやり直しがきかないということ。
人生というフィールドのどこに険しい山があって、安全に通れる道はどこにあるのか。
ひととき心身を休めることができるのはどこなのか。
知らない場所に行くのに、地図や案内表示をまったく見ない、という人はいないでしょう。
命盤や命式は、私たちの人生の案内図のようなものといえます。
宿命を知るためのツールです。
こうした占いを、命術といいます。命理占、命理学とか、表現はいくつかありますが、同じものです。
そして、易やカードなどの卜術では、特定の質問(占的)に対して、物事がそのような推移をたどるか、またその結果などを占うことができます。
こちらは後天運を測るものですね。
先天運は、生涯変わることはありませんが、後天運は置かれた環境や自身の考えかた、選択によってよくも悪くも変わります。
私は、これを、こんなふうに考えています。
みんなひとりにひとつ、お道具箱を持って生まれてきました。
箱の中には、いくつかの道具がセットになっていて、性能がよく使いやすい道具もあれば、壊れて使いづらい道具もあります。
自分に合った道具を上手に選んで使えば、その人は天命に沿って、幸せな人生を送ることができるでしょう。
一方で、そうした道具には目もくれず、なぜか壊れた道具ばかりを選んで、苦しみながら、意地になって使い続ける人もいます。
そういう人が人生で受け取れる福分は、前者に比べ少ないのではないでしょうか。
自分のお道具箱の中に、どんなものが入っていて、その中で自分にとっていちばん使いやすい道具はどれか。
それを知ることで、人生におけるアンマッチを極力減らすことができると、私は思います。
よく研がれた、素敵な包丁を持っているのに、使おうとしていないとか、あるいは一生懸命木を切り倒そうとしているとか…
それでは、宝の持ち腐れですよね。
同様に、のこぎりで野菜の皮むきに四苦八苦していたら?
カッターナイフで、家具を作ろうとしていたら?
どれも、結果は推して知るべし。
まず、自分の持っているお道具箱の中身をあらためることから。
そうすれば、人生の歩きかたがわかるはず。
占うことの意味は、ここにあると思っています。
人生は選択の連続。
あの時、こうしていたら…と思っても、リセットはできないのですから。
